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ばね指の原因と治療法・対処法について

ばね指 原因

ばね指はどちらかというと中年期以降の女性に多く見られる手のトラブルで、最初は朝起きたときにこわばりを感じる程度ですが、次第に指の曲げ伸ばしをするのがつらくなったり、痛みを生じたりするようになります。

医療機関を受診すると、「手を使わないように」指導されることが多いのですが、手を使う仕事の方や、家事・育児をしている方にとっては、無理な注文だと感じられるのではないでしょうか。

こちらのページでは、ばね指が起こる原因や医療機関における治療法、および自分でできる対処法などについて詳しく解説しています。

ばね指とは

ばね指は、指の曲げ伸ばしをするときに引っかかりが生じ、引っかかりを通り過ぎるときに弾けるような動作をすることから、その名前が付けられています。はじめに、ばね指の原因やメカニズム、症状の特徴などについて解説します。

弾発指のこと

ばね指は、正式な病名や症状名ではありません。医学的には弾発指(だんぱつし)と呼ばれています。弾発指の進行にともなって指に引っかかりが生じると、指の曲げ伸ばしにともなって「ばね現象」が起こることから、ばね指という俗称が付けられています。

ばね指のメカニズム

ばね指のメカニズムを理解するためには、身体の仕組みについて少しだけ知っておく必要があります。私たちの骨と骨とは筋肉で結ばれており、筋肉が伸び縮みすることで、関節を動かすことが可能となっています。

筋肉と骨との境目には腱と繊維製の組織があります。たとえばふくらはぎの筋肉(腓腹筋)がかかとに付着する部分が、アキレス腱(腓腹筋腱)といった具合です。

指の腱にはその他の場所とは異なり、腱鞘(けんしょう)と呼ばれる靭帯性の組織があります。腱鞘がトンネルのように指の腱を覆うことで、指の曲げ伸ばしをスムーズにおこなうことが可能となっているのです。

ところが、なんらかの原因によって腱鞘が肥厚(トンネル部分が分厚くなること)したり、腱の一部が肥大(太くなること)したりすると、指の曲げ伸ばしをする際に引っかかりを生じるようになります。それがばね指のメカニズムです。

ばね指の原因

ばね指の原因としては、主に前腕や指の使い過ぎがあげられています。指を曲げ伸ばしするときには、前腕の筋肉も重要な働きをしています。

そのため、仕事や家事などで前腕を多く使う方に、腱鞘炎の発症例が多く見られるのです。また、腱鞘炎は中年期以降の女性や、出産後の女性に多く見られることから、女性ホルモンのバランスも影響しているのではないかと考えられています。

ばね指の症状の特徴

ばね指の特徴としては、徐々に症状の悪化を見る点があげられます。いわゆる「ばね現象」は症状が進行してから見られる現象であり、発症初期にはそのような症状が見られません。

発症初期には、朝起きたときの指のこわばりが見られます。ただ、日中になると気にならなくなるケースがほとんどです。この段階で適切に対処すればよいのですが、痛みを感じないと、そのまま放置しておくケースが多くなっています。

ばね指の症状が進行すると、徐々に指の曲げ伸ばしをおこなう際に引っかかりが生じるようになり、やがて指の付け根や第二関節の甲側に、痛みを生じる結果となります。

ばね指の治療法

指の痛みを訴えて医療機関を受診し、ばね指(弾発指)と診断された場合、主に次のような治療がおこなわれます。

  • 薬物療法
  • 装具療法
  • 運動療法
  • 手術療法

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

薬物療法

ばね指にともなう痛みが強い場合、痛み止めを処方されることがあります。また、ステロイド製剤を腱鞘内に注射する治療法もあります。

装具療法

ばね指にともなって指を動かす際の痛みがある場合、葬具を用いて指の関節を固定する治療もおこなわれています。代表的な装具としては、シーネと呼ばれる副子の一種があげられます。

運動療法

整形外科などでは、運動療法によってばね指の改善を図るケースがあります。指をしっかりと伸ばした後に、ジャンケンの「グー」の形にしっかりと握りこむことで、腱の柔軟性の回復を図ります。

手術療法

上記のような治療をおこなっても改善が見られないときや、日常生活に重大な支障をきたすような場合、手術療法が検討されることもあります。

自分でできるばね指への対処法

ばね指の多くは、日常の家事や仕事にともなう筋疲労の蓄積が原因となって起こります。指が痛くなると患部にばかり注目しがちなのですが、指を動かすときには、前腕の筋肉が使われることも忘れてはいけないポイントです。

前腕の筋肉が硬くなると血管を圧迫して、指先へと送られる血液の量が減少します。血液は酸素と栄養を全身に運んでいるため、血液の量が不足すると回復力が低下する結果となるのです。

また、前腕の筋肉が硬くなると、筋肉や筋膜の牽引力によって腱への負担が増し、ばね指を発症するリスクが高くなります。そのため、次のような方法で前腕の筋緊張を緩め、血行を促進することが認められます。

  • 前腕をマッサージする
  • 指のストレッチに取り組む
  • お風呂でリハビリをおこなう
  • 睡眠をしっかりととる
  • 手や指を冷やさない


それぞれについて解説します。

前腕をマッサージする

ばね指を改善・予防するためには、前腕をマッサージするのがオススメです。デスクワークの方は、とくに前腕の屈筋群(指や手首を曲げるときに使われる筋肉・日焼けしにくい側)をしっかりと緩めましょう。

右の前腕をマッサージするときは、左手で右の前腕をつかみ、親指で肘の近くから手首に向かいって血液を送るようなイメージで、気持ちよく筋肉を緩めるとよいでしょう。

指のストレッチに取り組む

ばね指を改善・予防するためには、指のストレッチにも取り組みましょう。左手をストレッチする場合、左手の人差し指から小指を右手でつかみ、手首を反らす方向に気持ちよくストレッチしましょう。

指のストレッチに限った話ではないのですが、ストレッチをおこなう際、痛いほどの刺激を与えるのが厳禁です。痛いほどの刺激を与えると、防衛反応によってかえって筋肉が硬くなります。あくまでも気持ちよく感じる範囲でストレッチしましょう。

お風呂でリハビリをおこなう

お風呂でリハビリをおこなうことも、ばね指の改善・予防につながります。やり方はとても簡単で、お湯の中で手を開いたり閉じたりするだけです。

適度に筋肉を動かすことで、家事やデスクワークなどが原因となる筋緊張を緩和することが期待できます。また、お湯の中でリハビリをおこなうと、効率よく血行を促進することが可能です。

睡眠をしっかりととる

ばね指の改善・予防のためには、睡眠をしっかりととることも重要です。先ほどばね指は出産後に多く見られると述べたのですが、その多くが初産の方です(初産腱鞘炎ともいいます)。

出産にともなうホルモンのバランスの乱れは、何人目の出産であろうと起こる物です。それなのに、なぜ初産のときにだけ、腱鞘炎を発症するのでしょうか。

その原因として考えられるのが、はじめての育児にともなう睡眠不足です。初産の方はもちろんのこと、ばね指を改善・予防するためには、普段から良質の睡眠をとることが必要といえます。

手や指を冷やさない

ばね指を改善・予防するためには、手や指を冷やさないことも重要です。手や指が冷えると血行不良を招き、ばね指を発症するリスクが高くなります。とくに冷え性の方は、手先を保温するよう努めましょう。

まとめ

ばね指は突き指などのケガとは異なり、日常の疲労や筋緊張が蓄積した結果として起こります。そのため、普段からストレッチやマッサージをおこない、ばね指の発症を予防することが重要です。

セルフケアではばね指が改善しない場合、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までご相談ください。みのり整骨院では、筋肉や腱、骨に関するプロフェッショナルである柔道整復師が日々、患者さんのお悩みと向き合っています。

ばね指の症状を改善する施術はもちろんのこと、日常生活におけるアドバイスもおこなっています。ばね指を根本から改善したい方は、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までお気軽にご連絡ください。