筋肉が痛みの原因?
『昔はこんなことなかったのに』
『何もした覚えがないのに』
患者さまから、よく耳にする言葉です。
また、整形外科でレントゲンを撮ってもらって
『大丈夫だから湿布を張っておいてください』
と言われた覚えはありませんか?
痛みには原因があります。
身体を動かすと痛みがでる場合は、身体を動かす組織に異常があるために痛みが生じますが、身体を動かすための組織は主に『骨』『筋肉』『腱』『靭帯』があります。『骨』は身体を支える支持器と言い、実際に体を動かしているのは『筋肉』が収縮することにより『運動』をしています。
レントゲンなどの画像診断で写るのは基本的には骨なのですが、レントゲンで大丈夫と表現されるのは、骨には異常はないということです。
では、なぜ大丈夫と言われたのに痛いのかというと、身体を動かすための『筋肉』(もしくは神経など)に何らかの異常があるために痛みが生じているからです。
筋肉は年齢の経過と共に筋力が衰えることで、筋力低下が生じ、運動機能が低下します。
『昔』になんともなかったのは、今よりも筋肉の機能が高いためで、機能低下をおこした筋肉に同じ動作をすると負担になってしまうことになります。
また、日常生活習慣において、運動不足や同じ姿勢を長時間維持したり、作業する事によって筋肉の柔軟性が乏しくなり、血流が悪くなり筋肉が硬くなります。
そして筋肉が硬くなると、体のバランスや動きが悪くなり体に負担がかかります。『何もしていない』わけではなく、気づかない間に筋肉の状態が悪くなっているのです。
筋肉の状態には個人差が非常に大きく、同じことをしても人によって負担が違ってきます。
また、同じ人でも日によって筋肉の状態は変化します。トップアスリートでもない限り、その時その時の筋肉の状態を管理することは難しいため日々の筋肉の状態の変化に気が付かず、症状に結び付いてしまうのです。
更には、筋肉の機能低下からくる筋力低下、それによる体重負荷の増加により、関節や骨に症状が現れて、悪循環を起こし症状が酷くなってしまうことも懸念されます。
その他にも、外傷が起因する症状として、直接的な外力によって、組織の損傷を起こします。
損傷した組織に炎症が出ることによって発痛物質が分泌され、痛みを感じます。
また、神経が症状を引き起こすものや、何らかの理由により脳が痛みを感じている心因性疼痛があります。
ここでは筋肉について記載させていただいておりますので、筋肉以外の原因が考えられる場合は、受診の際にしっかりと説明させていただいております。