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脱臼の治し方と対処法・予防法について

脱臼 治し 方

脱臼はスポーツをしている方に多く見られるケガの一種ですが、日常生活においても、道路で転んで手をついた際などに、脱臼を起こす可能性があります。

脱臼を起こすと激しい痛みに襲われ、どう対処していいのかわからず、パニックになってしまうケースも少なくありません。こちらの記事では、脱臼の治し方や対処法、および予防法について解説しています。

脱臼について

脱臼という言葉は聞いたことがあっても、どのようなケガなのか具体的にはよくわからないという方もいらっしゃることでしょう。そこで、まずは脱臼がどのようなケガなのか、以下の点について解説します。

  • 脱臼の定義
  • 脱臼の種類
  • 脱臼の原因
  • 脱臼を起こしやすい場所
  • 脱臼にともなう症状

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

脱臼の定義

脱臼とは、関節を構成している骨同士が、正しい位置関係ではなくなることを意味します。関節の接触面が狭ければ狭いほど、外力が働いたときに脱臼を起こしやすいのが特徴です。

脱臼の種類

脱臼は大きくわけると、関節を構成する骨同士が正常な位置から完全に逸脱する「完全脱臼」と、正常な位置から若干ズレている「亜脱臼」とに分類されます。

スポーツ選手に多く見られる足首の捻挫(足関節内反捻挫)も、亜脱臼の一種といえるでしょう。完全脱臼はさらに、関節包内で起こる「関節包内脱臼」と、ズレた骨が関節包の外へと出る「関節包外脱臼」にわけられます。

脱臼の原因

脱臼は関節に対して強い外力が瞬間的に働くことで起こりますが、その多くはスポーツ中の衝撃によって起こります。脱臼を起こしやすい代表的なスポーツが、アメリカンフットボールラグビー、格闘技などのコンタクト系のスポーツです。

その他の原因としては、病気による脱臼が挙げられます。脱臼を起こしやすい代表的な病気としては、幼児期の関節炎やポリオ、脳性まひなどが挙げられます。

脱臼を起こしやすい場所

脱臼を起こしやすい場所は、関節の可動域が大きく、なおかつ関節面に接する骨の面積が小さい場所です。そのような条件を満たす代表的な場所が肩関節ですが、それ以外の関節にも脱臼を起こす可能性はあります。

脱臼にともなう症状

脱臼を起こした場合の代表的な症状が、疼痛(ズキズキとうずくように痛むこと)です。また、打球を起こした関節を動かすと痛みが出たり、動かしづらくなったりするのも特徴です。

なお、脱臼を起こした場所には腫脹(はれ)や発赤(ほっせき・赤くなること)などが見られ、場合によってはしびれなどの異常感覚を引き起こすケースもあります。

脱臼の治し方

脱臼を起こした場合の治療法としては、以下のような方法が挙げられます。

  • 整復
  • 固定
  • 運動療法
  • 手術療法

それぞれについて解説します。

整復

脱臼を発症した場合、できるだけ早く整復をおこなうことが重要です。整復とは簡単にいうと、骨を元の位置に戻すことを意味します。

脱臼の整復は整形外科でおこなってもらえるほか、整骨院や接骨院でも、応急処置としての整復をおこなってもらうことが可能です。

固定

脱臼の治療法としては、副子もしくはギプスなどを用いた固定も挙げられます。固定することで患部の動揺を防ぎ、動作にともなう痛みを緩和することが期待できます。

運動療法

脱臼に対して整復および固定をおこない、一定期間の安静後に症状の緩和が見られたら、筋肉の強化を図ったり、筋緊張を緩和したりする目的で運動療法を開始します。

手術療法

上記の治療をおこなっても症状の回復が見られない場合や、繰り返す脱臼によって日常生活に支障を来す場合、および脱臼にともなって骨折も見られる場合、手術療法が検討されることもあります。

脱臼を起こしたときの対処法

脱臼を起こした場合、医療機関で見てもらうことが最優先ですが、可能であれば、応急処置をおこなっておくとよいでしょう。応急処置のポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 患部の確認
  • 可能であれば整復
  • 固定
  • 冷却

それぞれについて簡単に解説します。

患部の確認

脱臼の現場に遭遇した場合、まずは脱臼した人の患部を確認しましょう。仮に出血が見られる場合は、応急処置をおこなう前に、止血を優先します。

可能であれば整復

脱臼を起こした現場に、スポーツトレーナーや柔道整復師などがいるようであれば、整復を試みるものよいでしょう。ただし、素人がむやみに腕を引っぱるなどすることは厳禁です。

固定

整復が無理な場合は、患部を固定して、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。三角巾があればよいのですが、なければビニールの買い物袋やスカーフ、ストールなどを利用する方法もあります。

肩関節を固定する場合、肘の角度を90度に保って身体に密着させ、両肩の高さをそろえるようにして固定するのがポイントです。

冷却

脱臼を起こした場所が激しく痛む場合、冷却(あいしんぐ)をおこなってもよいでしょう。固定した上から、アイスパックや氷嚢などで、痛みを感じにくくなるまで冷やしましょう。

脱臼の予防法

脱臼は偶発的に起こるケガであるため、予防が難しいようなイメージをおもちかもしれません。しかし、普段から次のようなことに取り組むことで、脱臼の発症リスクを下げることが期待できます。

  • ストレッチに取り組む
  • 運動前のウォーミングアップを欠かさない
  • 正しいフォームの習得
  • 疲労をため込まない
  • 筋力アップを図る


それぞれについて解説します。

ストレッチに取り組む

脱臼を予防するためには、日頃からストレッチに取り組むことが重要です。脱臼を起こす方の多くに、関節や筋肉の硬さが見受けられます。

普段からストレッチに取り組み、関節や筋肉を柔軟に保つことで、偶発的な関節への衝撃を緩和することが期待できます。

運動前のウォーミングアップを欠かさない

スポーツ中の脱臼を予防するためには、運動前のウォーミングアップを欠かさないことも重要です。身体が温まらない内に動きはじめると、脱臼だけでなく、さまざまなケガのリスクを高めます。

ただし、運動前のストレッチはかえってパフォーマンスを低下させる可能性もあるため、スポーツトレーナーや指導者の指示に従い、適切なウォーミングアップをおこなうよう心がけましょう。

正しいフォームの習得

脱臼を予防するためには、スポーツごとに正しいフォームを習得することが重要です。誤ったフォームは関節や筋肉への負担を増し、脱臼のリスクを高める結果となりかねません。

たとえば柔道を学ぶときに、最初に受け身の練習をおこなうのもそのためです。基本を疎かにしていると、脱臼をはじめとしたケガのリスクを高めると覚えておきましょう。

疲労をため込まない

スポーツをおこなっている方の場合、疲労をため込まないことも、脱臼の予防につながります。疲労が抜けない状態でスポーツを続けていると、判断力の低下や動作の遅延などが原因となり、脱臼などケガの発症リスクを高めます。

運動後はしっかりとクールダウンをおこない、翌日に疲れを残さないよう気をつけましょう。帰宅後はお風呂にゆっくりと浸かり、心身共にリラックスすることで、身体の回復力を高めることが期待できます。コンディションがよくないときは、思い切って練習を休むといった選択肢もあります。

筋力アップを図る

繰り返し脱臼を起こしているような場合、関節周囲の筋力アップを図ることが再発予防につながります。筋肉を鍛えることで関節を守り、脱臼の発症リスクを下げることが期待できます。

まとめ

脱臼を起こした場合、痛みのあまりパニックになる可能性がありますが、応急処置の方法を覚えておくことで、冷静に対処することが可能となります。

仮に自分では適切な応急処置ができない場合、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までご連絡ください。整骨院では、国家資格者である柔道整復師による適切な整復が受けられます。

また、医療機関を受診後の後療(ケガが治るまでの治療や施術)は、整骨院でおこなうことも可能です。脱臼を整骨院で改善したい方は、静岡県浜松市にあるみのり整骨院までご相談ください。