交通事故を起こした場合はもちろんのこと、事故に巻き込まれてケガを負うことは珍しくありません。交通事故にともなってみられるケガの種類はさまざまですが、どこで治療を受けられるのでしょうか。
こちらのページでは、交通事故にともなって多く見られるケガの種類や、治療が受けられる場所、および代表的な治療法についてご紹介します。
交通事故にともなってみられる代表的なケガの種類
交通事故の治療について解説する前に、まずは交通事故を起こした場合、もしくは事故に巻き込まれた場合、どのようなケガを負うリスクが高いのかについて見ていきましょう。交通事故にともなってみられる代表的なケガとしては、以下のような例が挙げられます。
- むち打ち
- 骨折
- 打撲や擦り傷
それぞれについて解説します。
むち打ち
交通事故の中でもっとも多くの件数を占める例が、後方からの追突事故です。その際に起こる代表的なケガが、むち打ちです。不意に後方から追突された場合、頭が大きく前後に振られます。その際、首が鞭を打つように動いてケガすることから、むち打ちという名前がつけられています。
むち打ちの厄介な点は、交通事故の直後に症状が出ないケースも多々あることです。むち打ちの種類としては、主に以下のような例が挙げられます。
頚椎捻挫型
むち打ちの中でもっとも多くを占めるのが、頚椎捻挫型です。全体の7割を頚椎捻挫型のむち打ちが占めていますが、むち打ちの中では比較的軽症例とされています。
頚椎捻挫型という名前のとおり、交通事故の衝撃によって首の骨(頚椎)を支えている筋肉や靱帯にダメージが加わり、首や肩の痛み、可動制限などを引き起こすのが特徴です。
神経根型
交通事故の衝撃によって末梢神経にダメージが加わった場合、神経根型のむち打ちを発症することがあります。首や肩だけでなく、腕にかけて痛みが出たり、しびれを生じたりすることもあります。また、知覚障害や脱力感など、神経症状を引き起こすのが特徴です。
バレーリュー症候群型
交通事故の衝撃によって自律神経を損傷した場合、バレーリュー症候群型のむち打ちを発症することがあります。バレーリュー症候群型のむち打ちを発症した場合、めまいや吐き気、頭痛、耳鳴りなど、自律神経系の症状が出やすくなります。
脊髄損傷型
交通事故の衝撃によって脊髄(中枢神経)にまでダメージが加わった場合、脊髄損傷型のむち打ちを発症することがあります。もっとも重症例のむち打ちで、手だけでなく足がしびれたり、歩行障害や排便・排尿障害を引き起こしたりすることもあります。
骨折
交通事故にともなってみられる代表的なケガとしては、骨折も挙げられます。エアバッグにぶつかった衝撃で顔面を骨折することもあれば、シートベルトによる圧迫で肋骨や胸骨などを折るケースもあります。
打撲や擦り傷
打撲や擦り傷も、交通事故にともなってみられる代表的なケガのひとつです。比較的軽度のケガではありますが、後からその他の症状があらわれることもあるため、必ず医療機関を受診しましょう。
交通事故の治療はどこでできる?
交通事故によるケガを負った場合、まずは医療機関を受診することが先決です。医療機関で検査および治療をしておかないと、慰謝料を請求することができなくなります。交通事故によるケガの治療は、主に以下のような診療科でおこなっています。
- 整形外科
- 脳神経外科・神経内科
- 心療内科
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
整形外科
交通事故によるケガを負った場合、まずは整形外科を受診するのが一般的です。整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像診断をおこない、ケガの場所や原因を特定し、適切な治療をおこなっていきます。筋肉や靱帯、腱、骨などに関するケガを負った場合は、整形外科を受診するのが一般的だと覚えておきましょう。
脳神経外科・神経内科
交通事故にともなって頭部を激しく打撲した場合や、頭部の外傷が見られる場合、もしくは整形外科では症状の原因がよくわからない場合、脳神経外科や神経内科を受診する方法があります。
MRIやCTスキャンなどを利用して脳に異常が見られないかを確認し、脳の損傷が大きいと判断された場合は、脳神経外科や脳外科でしかるべき処置をおこなうこととなります。
心療内科
整形外科や脳神経外科を受診しても不調の原因がわからない場合、心因性の症状が疑われる可能性もあります。そのような場合、心療内科で治療がおこなわれることもあります。
交通事故にともなう主なケガの治療法
交通事故にともなってケガを負った場合、主に次のような治療がおこなわれます。
- 薬物療法
- 装具療法
- 牽引療法
- 運動療法
- 手術療法
それぞれについて解説します。
薬物療法
交通事故にともなうケガの痛みがひどい場合、痛み止めや神経ブロック注射など、薬物療法をおこなうのが一般的です。自律神経系の不調が出ている場合や、気分の落ち込みなどが見られる場合、精神安定剤が処方されることもあります。
装具療法
交通事故の衝撃でむち打ちを起こしたような場合、カラーなどの装具を用いて、首まわりを固定することがあります。また、骨折した場所によっては、ギプスやシーネなどの装具で固定することもあります。
牽引療法
交通事故によって頚椎(首の骨)や腰椎(腰の骨)を損傷した場合、上下から牽引する治療をおこなうこともあります。
運動療法
交通事故にともなうケガの程度が重いと、しばらく入院する必要が生じるケースもあります。とくに高齢者の場合、寝たきりでいると運動機能の低下を引き起こしかねません。そのため、可能な範囲で身体を動かし、機能の回復を促進する運動療法がおこなわれます。
手術療法
上記の治療法をおこなっても症状の改善が見込めない場合、手術療法が検討されるケースもあります。ただし、手術は身体への負担が大きいため、最後の手段として取っておくことがオススメです。
交通事故にともなうケガは整骨院でも見てもらえる?
交通事故に巻き込まれた場合、まずは医療機関を受診するのが先決です。ただし、交通事故の後療(症状が改善するまでの治療や施術)は、医師の許可を得た上で、整骨院で受けることも可能です。整骨院では、次のような施術でケガの回復に取り組んでいます。
- 電気治療
- 温熱療法
- 手技療法
- テーピング
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
電気治療
整骨院では、低周波や赤外線、マイクロ波、ハイボルトなどさまざまな電気治療を駆使して、症状の早期回復を図っています。骨折に対しても、超音波治療器を利用して、回復を促す治療法があります。
温熱療法
ケガを起こした場所には、必ずといってよいほど血行不良が見られるものです。そのため、整骨院では温熱療法をおこない、患部の回復を促進しています。
手技療法
整骨院では、手技療法によって硬くなってしまった筋肉や関節を緩め、動いたときに見られる痛みの改善に取り組んでいます。また、症状を根本から改善するため、全身のバランス調整や筋膜リリースといった独自の施術をおこなうケースもあります。
テーピング
整骨院では、キネシオテープと呼ばれる伸縮性のあるテーピングによって、筋肉のサポートをする施術もおこなっています。
まとめ
交通事故にともなってケガを負った場合、まずは医療機関を受診することが先決です。医療機関で適切な検査をおこなっていないと、慰謝料を受け取れなくなる可能性もあるため、気をつけましょう。
なんらかの事情で病院に通うのが困難な場合、医師の許可を得て整骨院で施術を受けることも可能です。整骨院では症状を感じなくさせるのではなく、根本から原因を取り除く施術に取り組んでいます。
静岡県浜松市にある「みのり整骨院」では、捻挫や突き指といった通常のケガはもちろんのこと、交通事故治療にも力を入れています。医師との連携や、面倒な手続きの代行もおこなっているので、交通事故後のケガや手続きにお悩みの方は、ぜひご相談ください。