交通事故に巻き込まれた場合、さまざまな傷害を負わされる可能性があります。とくに出会い頭の衝突事故などに遭った場合、最悪のケースでは死に至ることもあります。
そこまでひどい交通事故ではなくても、事故の後にむち打ちになったり腰痛を発症したりするケースもあるでしょう。では、交通事故にともなって腰痛を負わされた場合、慰謝料が下りる可能性はあるのでしょうか。
こちらのページでは、交通事故にともなう腰痛の原因や慰謝料が支払われる可能性、および後遺障害として認定されるために必要な手続きなどについて詳しく解説しています。
交通事故で腰痛が起こる原因
交通事故にともなって腰痛が起こる原因としては、主に次のような点があげられます。
- 事故の衝撃による腰部へのダメージ
- シートベルトによる圧迫
- 事故にともなう精神的ストレス
それぞれについて簡単にご紹介します。
事故の衝撃による腰部へのダメージ
交通事故にともなう腰痛の原因でもっとも多いのが、事故の衝撃による腰部へのダメージです。交通事故は突然のように起こるものなので、あらかじめ身構えることができません。
そのため、事故の衝撃が腰へと加わることで、筋線維を断裂して腰痛が起こりやすくなるのです。事故のすぐ後には痛みがなくても、数日たって徐々に痛みが出てくるケースも少なくありません。
シートベルトによる腰部の圧迫
交通事故にともなう腰痛の原因としては、シートベルトによる腰部の圧迫もあげられます。交通事故の瞬間に急ブレーキを踏むなどすると、シートベルトで押さえつけられている腰部に大きな負担がかかります。とくに高齢者の場合、事故の衝撃で腰椎を骨折してしまうようなケースも珍しくありません。
事故にともなう精神的ストレス
交通事故にともなう腰痛の原因としては、事故にともなう精神的なストレスもあげられます。そのような腰痛を心因性の腰痛と呼んでおり、病院で検査をしても原因不明とされることが多く、現代人を悩ませる腰痛のひとつともいえます。
交通事故にともなう腰痛に対して支払われる慰謝料
腰痛が交通事故との因果関係を認められた場合、慰謝料が支払われます。交通事故にともなう腰痛に対する慰謝料としては、障害慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があげられます。
傷害慰謝料は入通院慰謝料とも呼ばれており、腰痛を治療するために入院および通院した場合に支払われる慰謝料です。後遺障害慰謝料はその名のとおり、交通事故にともなう事故で後遺障害が残った場合に支払われる慰謝料を意味します。
交通事故にともなう後遺障害とは?
交通事故にともなう腰痛に対して慰謝料が支払われるかどうかについて解説する前に、まずは以下の点について知っておく必要があります。
- 後遺症と後遺障害
- 後遺障害の等級
- 後遺障害に対する慰謝料と認定基準
それぞれについて解説します。
後遺症と後遺障害
交通事故の後によく聞かれる後遺障害という言葉ですが、一般的に使われている後遺症とは異なるものです。後遺症とは、なんらかの病気やケガの治療をおこなったものの、症状が回復せずに一生残ることを意味します。
後遺障害は、交通事故が原因で起こった後遺症によって労働能力が減少したため、後遺障害等級に該当することを意味します。仮に後遺症があったとしても、後遺障害等級に該当しなければ、慰謝料が支払われることはありません。
後遺障害の等級
後遺障害の等級は、1等級から14等級にまで細かく分類されています。1等級がもっとも重症例で、14等級はどちらかといえば、軽症例の後遺障害です。
交通事故にともなう腰痛の場合は、「12級・局部に頑固な神経症状を残すもの」および「14級・局部に神経症状を残すもの」が、後遺障害等級に該当する要件となっています。
後遺障害に対する慰謝料と認定基準
後遺障害に対する慰謝料として支払われるのは、先ほどもお話したように後遺障害慰謝料です。慰謝料の金額を決める基準は、3つあります。
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準
交通事故にともなう腰痛に慰謝料は支払われる?
交通事故にともなって腰痛を負わされた場合、医師によって治療の必要性が認められれば、当然のことながら慰謝料が支払われます。
慰謝料にはケガの治療費だけでなく、腰痛のために仕事を休まざるを得なくなったことによる逸失利益、通院にともなう精神的な苦痛なども含まれます。
また交通事故にともなう腰痛について後遺障害等級が認定された場合、後遺障害逸失利益(後遺障害がなければ得られたであろう収入など)を請求することも可能です。
仮に腰痛で1ヶ月間通院する場合(15回の施術)、およそ19万円の慰謝料が支払われます(弁護士基準で算定した場合)。
また交通事故にともなう腰痛が後遺障害(14級)に認定された場合、半年間の間に70回の治療を受けると、400万円弱の慰謝料を受け取れる可能性があります(弁護士基準で算定した場合)。
自賠責基準や任意保険基準の場合は、弁護士基準よりも慰謝料額が低くなる傾向にあるため、医師によって治療の必要性が認められるのであれば、弁護士に相談するのがおすすめと言えるでしょう。
後遺障害として認定されるために必要な手続きについて
交通事故にともなう腰痛が後遺障害に認定されるかどうかは、必要な手続きをおこなったかどうかにも左右されます。後遺障害として認定されるためには、以下のような手続きをおこなう点が重要です。
- すぐに病院で診てもらう
- 自覚症状との整合性を証明してもらう
- 後遺障害として申請する
交通事故にともなう腰痛が、後遺障害として認定されるための最低条件として、事故後すぐに病院で診てもらう点があげられます。交通事故の後すぐに病院で診てもらわないと、後になって腰痛が出ても、交通事故との因果関係が証明できなくなるからです。
また、病院を受診したら各種検査を受け、腰痛と交通事故との整合性を証明してもらう必要があります。画像診断では腰痛の原因がわからなくても、整形外科的なテストをおこなえば、自己と腰痛との因果関係が証明できるケースもあります。
交通事故にともなう腰痛が症状固定(これ以上治療をしても効果がないと医師が判断すること)したら、後遺障害として申請しましょう。
まとめ
交通事故にともなって腰痛を発症するケースは珍しくありません。交通事故にともなって腰痛を負わされた場合、慰謝料が支払われる可能性もあるため、まずは病院を受診することが重要です。
交通事故にともなう症状は事故の直後ではなく、数日たってからあらわれるケースも少なくありません。そのため、事故の直後は無症状であっても、必ず病院で見てもらうよう心がけましょう。
交通事故の後に病院で見てもらっておけば、数日経過してから症状が出た場合であっても、事故との因果関係を証明してもらえます。
静岡県浜松市にあるみのり整骨院では、交通事故治療だけでなく、医師との連携など、患者さんのサポートにも力を入れています。各種手続きの代行もおこなっているので、ご不明点があれば、なんでもお気軽にご相談ください。